広東省出身の作家・熊育群さんの抗日戦争を題材とした長編小説「己卯年雨雪」出版1周年記念座談会が7日、広東省鶴山市で開催された。熊育群さんは14年かけて、中日戦争中の湖南省長沙市における長沙会戦を舞台にした同小説を書きあげ、刊行後は中日両国で大きな反響を呼んだ。中日新聞網が報じた。
中国作家協会書記処の呉義勤・書記は座談会で、「中国の現代の歴史小説は往々にして、抽象的で象徴的。しかし、歴史というのは内容に満ち、感情が伴うもの。作品を読んで、歴史の温度を感じ、歴史における矛盾や苦痛を感じることができなければならない。『己卯年雨雪』を読むと、戦争の残酷さの背後にある、人の温かさに対する渇望を見ることができる」と評価した。
日本人作家の元山里子さんは、「日本の文芸界では長年、『日中戦争の話題』がタブーとなっている。もちろん、日本にも『反戦』をテーマにした文芸作品がたくさんあるが、そのような作品はどれも、『戦争被害者』という角度から『反戦』を訴えており、『戦争加害者』という立場からの反省ではない。日本は、『戦争加害者』という立場からの反省が必要。そのような反省がなければ、日本は、中国など侵略された国と和解することができない。しかし、日本の文芸界には今に至るまでずっと、『戦争加害者』の立場から反省する作品がない。『己卯年雨雪』は、日中戦争の『真相』を追求した文学作品で、一般の人の『人情』をテーマに、それが戦場で試みられ、目覚める様子を描いている」と評価。
さらに、「1937年に北京で日本軍と中国国民革命軍との衝突・盧溝橋事件が起きて、今年で80周年を迎える。日中両国民の和解を促進するこの作品の役割が一層浮き立つ」と指摘した。
花城出版社の詹秀敏・社長によると、「己卯年雨雪」は、16年3月に一連の大型「平和祭」が行われるきっかけを作り、戦争当時、中国侵略に参加した元日本人兵士と元中国人兵士が初めて共に過去を反省し、平和を祈願することにつながった。「己卯年雨雪」は刊行されて以降、世界の文学界で大きな話題となり、エジプトやハンガリー、イタリア、ロシアなどの漢学者が翻訳を検討しているほか、外文出版社が英語への翻訳を計画しているという。
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